椿が青薔薇のプリンス……?
衝撃の事実を心の中で繰り返しながら、私は思わず目を見張った。
そこに現れたのは他の男子の制服とはまるで違う、白いブレザーを身に纏う椿の姿があったから……。
どうしてか、椿だけが白いブレザーだ。
「そうそう。SSランクの人間だけは、ブレザーの色が違うんだよ」
火神さんの説明に、朝から感じていた違和感の正体はこれだろうと納得した。
「つ……椿様よ!あぁぁん!麗しい!!」
「ちょっ、な……なぜ、最上階のクラスにいるはずの星ノ宮様が、Cクラスの階に来ているの!?」
椿の教室は最上階にあるらしい。
教室中の至る所……さらには廊下からも取り乱し興奮しきったお嬢様方の声が、矢継ぎ早に飛び交っていた……。