12月になった。


寒くかじかむ手を擦り合わせ、火鉢にじりじりと近付く。




「…けほ、本当に愁くんは寒がりさんですねぇ」


「だって寒くないですか、何なんですかこの寒さ」




沖田さんは近藤さんの妾宅で一時療養することになった。

目の届く所に置いておきたい土方は渋っていたけど、此処が危険な場所である事は分かっていた為了承した。




「ねぇ沖田さん」


「なんですか~?」


「また直ぐ会えますから」


「…え?」


「直ぐに会えますから。
変な事しちゃだめですよ」




例えば無断で動くだとか、むしろこっち戻って来ちゃうとか。


そんな事したら殴りますよってハナシだ。




「…バレちゃってましたか」


「俺は沖田さんと双子?みたいなもんですから」


「ふふっ…こほ、嬉しいなぁ…」




沖田さんが眠りにつくまで隣に寝転んで雑談をする。


更に青白く、そして頬の痩けた顔。



アタシに出来ることは不安や寂しさを少し緩和するくらい。

せめて、夢の中では苦痛が消えていますように。















沖田さんが行って約1週間後の事。




王政復古の大号令が発令された。


徳川幕府ならび征夷大将軍廃止
天皇の元新たな役人に構成された新政府が政治を行うことになる



これにより、旧幕府軍VS新政府軍の形が露になった。










さぁ戦争が始まる