ここの暮らしは暇だった。 一日中食べてボーっとして食べてボーっとしてって感じ。 だから今日は、柄にもなく出掛けようと思う。 「正樹さん、出かけませんか?」 「はい。ただいま車を用意します。」 「いや、あの、歩きでいきましょう。マイペースにブラブラっと。ね!」 「はい。かしこまりました。」 適当に着替えて外に出た。 それにしても暑い。 こんな暑い中、スーツを着ている正樹さんがかわいそうだった。