ケータイ小説 野いちご

私をさらって、キスをして

第2章



7月14日 午前0時32分。



東京都内に本家を構えている咲衣中家のある一室には、



若々しい端麗な顔つきの女と、



年老いた執事の姿があった。



何を考えているのか分からないような表情の執事とは対照的に、



女はその端麗な顔を歪ませていた。




「奥様、どうかなさいましたか。」




奥様と呼ばれた端麗な顔の女、



『咲衣中 渚』(サエナカ ナギサ)は






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