「由美!ほら走って!」


香那子は叫んだ。


「どうせ…どうせ私は死ぬんだよ……もう放っておいてよ………」


「そんなことない!絶対死なないから!早く!!」


莉奈は由美の背中を押しながら言った。



香那子と莉奈の2人は由美がいるせいで、少し遅れをとった。だが、2人は由美を置いては行かなかった。


3人は、空いている教室を2つ見つけた。


「どうしよう。2つしかないよ!!」


莉奈は焦った。


「ここに由美と、莉奈が入って」


香那子は落ち着いて莉奈と由美を見ながら言った。


「でもっ…」


「大丈夫。莉奈は由美を入れて、隣に入って。私は違うところを探すから!由美を頼んだよ!」


そう言って、香那子は走っていった。


「香那子…わかった。死なないでね」


莉奈は由美を教室に入れ、鍵を閉めたのを確認してから、隣の教室に入った。