「……暗っ」



下校時間ギリギリまでテスト勉強していたら、外は暗かった。

春になって日が長くなったとはいえ、この時間は暗くなるのか。

兄に迎えに来てもらおうかと思ったが、サッカーの練習日だったことを思い出し、諦める。



「…………」



でも、兄を呼ばなくて良かったかもしれない。星が見える。3日ぶりぐらいに上を見ながら歩く。
街灯が多いから星は見えづらいけど、まぁこんなもんだ。



「お嬢さん。何してるの?」



星を見ながら歩いていると、隣から声をかけられた。
もしかして…変質者だったり…。



「…………」



横を振り向く勇気が出ないわ、怖くて声が出ないやらでプチパニックになっていると、笑い声がした。



「ごめん。鳥羽です」
「鳥羽くん!?」



私を驚かせた人は鳥羽くんだったみたい。
本当に変な人かと思った。



「驚かせたくて」
「…サイテー」



軽い気持ちで来ないでよ。



「心臓何年分か縮んだじゃん」
「うわっ。本当にごめん。月岡さんいるなって思ったら、上見てるから興味もっちゃって」



はたから見たら私の方が変な人だったのかもしれない。
上見ながら口を開けてたし。



「いや、大丈夫」



私は前を向き、少し早歩きをする。



「月岡さんって星見るの好きなの?」