小学校を卒業した春。私は人生で最大の幸せに巡り会うことになる。
私の名前は戸部美香。バスケ部に所属していて、キャプテンをしていた。別に、特別かわいいというわけでもなく、極々普通の女の子だった。そんなある日のことだった。男バスの人からLINEの追加がきた。名前は藤崎たける。たけるとは、数回話したことがあるくらいだった。そして、その些細な出来事から私の甘酸っぱい恋が始まるなんて、思ってもなかった──...。
私はその日からよくたけると話すようになっていた。たけるは、優しくて、おもしろくて、話していてとても楽しかった。そして1ヶ月後。私はたけるのことが少し気になるようになっていた。そんな5月のとき。たけるから呼び出された。たけるは、照れた様子を浮かべながら無言だった。私はじれったくなって、「なに?どうしたの?」と聞いた。するとたけるは「俺、美香のこと好きだわ。」と言ったのだ。それが、人生で1番最初の告白だった。私はすごく嬉しかった。しばらくするとたけるは「よかったら俺と付き合ってくれないかな。返事は急がなくていいから!」と言って、どこかに行ってしまった。私は何よりもうれしくてうれしくてたまらなかった。その日の夜、私はたけるに電話して、OKしたのだ。お互い、部活が忙しかったり、予定が合わなかったりして、休日の日に会うことはほとんどなかった。夏休みも、一度も会わなかった。私はたけるに「会いたい」と言ったけど、「俺も。だけど会えない。」と言われ、この繰り返しだった。そして、花火大会の日。たけると初めてデートをすることになった。2人で花火があがる近くの川でみようと決めた。私は嬉しくて、気合いを入れて洋服を買ったり、メイクしたり、髪をセットしたりして、集合場所に向かった。だけど、集合時間を過ぎてもたけるは来なかった。遅刻かなー?と思いつつも待った。10分、20分、30分、そして1時間待ってもたけるは来なかった。私はたけるに電話をしたけどでなかった。そして、たけると一緒に行くことを知っていた友達からLINEがきた。「たける、部活の友達と来てるの見かけたけど、美香、一緒に行くんじゃなかったの?あ、わかった!風邪でもひいたんでしょ~?」と書いてあった。私は涙がこぼれた。「私より友達を優先したの?」「私の方が先だった。」「どうして?」そんな気持ちでいっぱいだった。そして、その日の夜。たけるからLINEがきた。「今日はごめん。熱出しちゃって、行けなくなった。連絡遅れてごめん。」と書いてあった。私は信用するか、しないか、とても迷って、思い切ってたけるに言ってみた。「私とじゃなくて、友達と行ってたんでしょ?」と送ると、「ごめん」と返ってきた。私は我慢の限界だった。私よりも友達を優先されたという、強い悲しみがあふれてきた。涙が止まらない。辛い。苦しい。そして、それをきっかけに喧嘩になってしまい、とうとう別れることになってしまった。
それから月日は流れ、3月。たけると私は、もう一度やり直すことになった。とても嬉しかった。別れたけど、たけるのことがずっと好きだった。でも、会話は少ないし、会いたいって言っても会ってくれなかった。そして、また「私より友達を優先している」ことがわかった。それだったら、私がいる意味あるの?前と全然変わってないじゃない。そう思った。たけるの対応も、素っ気ない。こんなの、私だけじゃない。もう嫌だ。終わりにしたい。そう思って、私からたけるに別れを告げた。
私はたけるに出会って恋をして人を愛することを知りました。たけるに出会えてよかったです。最後にたけるに。たける、最低。大嫌い...になりたいけど、大好きが抑えられない。こんな勝手な私を許してね。
ーENDー