彼に伝えたかった事を伝えた後、駅まで走り、電車に乗って、今度は駅から家まで走り、とにかく猛スピードで家に帰った。

家の前で肩を大きく動かしながら息を整え、鍵を取り出し、鍵穴に差し込む。

(、、、あれ?鍵が開いてる。)

息が苦しく、頭の回らなかった私は、鍵を閉め忘れたんだ、とだけ思い、そのまま扉を開けてしまった。



父親「、、、千奈美か?」



ーーービクッ!



一瞬にして、頭が冴えた。



父親が、帰って来ていた。



「お父さん、、、今日は早いんだね。」

父親「ああ、今日は客運が悪くてな。
最悪だったよ。」

そう言いながら、私に近づいてくる。

そして、

ーーーバシッ

やっぱり殴られる。

殴られた勢いで地面に倒れた私の腕を掴み、今も残されている母親の部屋に連れて行かれた。



母親がいなくなってからも、この部屋が無くなることも、変わることもなかった。

そして、暴力を受ける時は、大抵この部屋だ。



部屋に投げ入れられ、また、

ーーーバシッ

父親「どんどん母さんに似てきたなぁ、千奈
美。」

そう笑って言いながら、私の髪を鷲掴みにして、頭を高く持ち上げた。

「ウゥ、、、ッ。」

痛みに声を漏らす。

ーーードスッ

「ケホッ、、、イ、、、、タイッ」

お腹を蹴られた。

同時に、髪が父親の手から解放され、私はその場にうずくまった。

「お父さん、、、
今日は、許して。」

ーーーバシッ

「ツゥ、、、!」

父親「誰のおかげで生活できてると思ってる
んだ‼︎
口ごたえするんじゃない‼︎」

父親がまた手を上げた。

(殴られるッ‼︎)

その時ーーー




ピンポーン