次の日。
取り敢えず、中庭で花をスケッチする事にした。
スケッチブックと鉛筆、消しゴムだけを持って。
中庭に出ると沢山の色鮮やかな花が咲いていて、何を描こうか悩んだ。
花には詳しくないから、何の花か分かんないけど、良いなと思う花を探す。
いざ描こうとスケッチブックを広げるが、人が多くてなんか少し恥ずかしい。
そう言えば、裏庭にも少しだけど花が咲いてたよな。
そっちなら人は少ないだろう。
裏庭に向かいながら、スキップをしてしまいそうな足を何とか留めた。
いつも美術室に居たから、いつもと違うこの時間に、鼻唄でも溢れてしまいそうだ。
誰にも聞こえないぐらいの鼻唄を唄い、雄大が聞いたら笑うだろうなって思いながら、つい笑った。