あぁ。やってしまった。

黙っておくつもりだったが…

200歳ってばれた。

当然みんなは焦って、

「えっ?幽霊なの!?怖いよどういうこと!?」
とか言ってるし

時も
「あっ!バレちゃったよどうしよう…ねぇリラ!どうしよう!!」
とか半泣きで言ってくるし…

壊滅的だなこの集団。


「ちょっと黙れ!!」
私の声が部屋中に響き急に静まる。

「いいか?私と時は黒き雪に触れた。だがバケモノにはならず、バケモノと分離したのだ。だが私たちは死ねない。傷も付かない。不老不死の人間だ。だから200年ほど生きているから200歳ってことだ。幽霊ではない。安心しろ」
早口にそう伝えた。
受け入れられないかと思い、ちらっと見てみると
「え?あ…そう…」
「なんだぁ生きてたぁ〜」
などすんなり信じた。

「出て行けと言われても仕方ないと思っていたのに…全くお人好しだな。」
私はつい本音を言ってしまった。

「え?だってもう家族でしょ?出てけなんて言わないよ」
と瑞華がキョトンっとした顔でいった。
「うん。そうだよ。僕らがそんなこと言うと思ったかい?」
瑞華に続いて八房もそう言った。

家族なんて……

家族はいない。

200年忘れていた

『家族』という響き

弟の顔がよぎる。

許してくれるだろうか。

弟を捨て。身勝手に生きる姉を。

弟は?許してくれるだろうか

少し考えてから私は八房に返事をする
「あぁ。そうは思わなかったよ。」
と涙目で。

泣きそうだったのは秘密だ。

みんなにおやすみを伝え、部屋に戻った。

今更ながら私と時は同じ部屋でその部屋に入るなり突然時は私に抱きついた。

「いいって言ったでしょ?俺の前では泣いていいよって。ねぇ?」

「バカを言うな!泣きそうになんかっていない!」

「いいって!強がったって意味無いよ!」

泣きたくない。だって……

今泣いたらきっとまた時は慰めてくれる。

そうしたらまた弟を思い出してしまう。

だめだ。絶対。

「平気だよ。」
私は冷静にいった

「じゃあとりあえずギュってしたままで」

私を慰めてくれているのだ。

特に意味もないだろう

でも少し嬉しいの思ったのも秘密で。