桜side

意識を飛ばしてからどれくらい
寝ていたのだろうか
そして腕に違和感を感じる

「あ……れ……………」

体を起こそうにも体が重くて起こせない
目は開いているはずなのに何も見えない

「桜!?」
「桜姉!!!」
「先生! 桜が!」
「私がわかるわね、桜!」
「倉科さん!」

みんなの声がするけどどこにも見えない
真っ暗な世界
まだ夢なのかな
でも、体にはしっかりと何かがある感触が

「あの、皆さんどこにいるんですか?」

「え、ここにいるじゃない!」
「桜姉の横にいるよ!」

「倉科さん、体起こせますか?」
「あ、先生……ですか?」
「はい、その様子だと起こせないようですね


では、倉科さん 私が見えますか?」
立花先生が?


どれだけ頑張って探しても真っ暗な世界が
広がっている
何もわからない
人の影すら見つけられない

「あの、…………何も見えません」




その後知ったこと
私が昔患っていた病気が再発したらしい
そして私は記憶をも失い、
視力も奪われたそうだ

「ごめんなさい 倉科桜さん ごめんなさい」

私の体じゃないのに、
私が強がったからこんなことに……………





後悔の念もあったけど、何より


何も無い真っ暗な世界が怖かった


独りぼっちは慣れないよ………