学校裏は高い塀で囲まれていて、その手前にレンガで作られた焼却炉があった。


昔はゴミを燃やしても誰にも咎められることはなかったけれど、今では地域の決まり事としてゴミを燃やす事は禁止されていた。


それでも、この焼却炉は取り壊されることなく、そこにあった。


「2人とも……」


ススで黒くなった焼却炉の前に、愛子と理子が立っていた。


2人の姿を見つけた瞬間ホッと安堵のため息をもらした。


「2人とも、こんな所でなにしてるの?」


あたしはそう声をかけながら2人に近づく。


愛子がチラリとあたしに視線を向け、すぐに理子へと視線を戻した。


その顔は真っ青だ。


「おいお前ら、ちゃんと家に帰ったんじゃなかったのか?」


渉が2人の間に割って入ろうとする。


が、理子が片手でその体を突き飛ばしたのだ。