3月上旬。

佐田さんと話す日々は幸せに満ち溢れていた。

しかし、四月からは自転車。

四月からも話すには、【付き合う】しか無い。

俺だってやる時はやる男だ。

勇気を出す。

初恋は叶わないとか聞いたことあるけどそんなの気にしねー。

俺はこの膨らみすぎた"好き"を佐田さんに伝えることにした。

いつものように話す朝。

他愛のない話を楽しそうにしてくれる佐田さん。

そんな佐田さんに、

"今日の放課後、2年3組に来て"

と伝えた。

いつも通りの天使の笑顔で頷いてくれた。

今日の放課後に、運命が決まる。

この天使の笑顔を俺だけのものに出来るか。

…それとも

もう話すことが出来なくなってしまうか。