貴重な長期休みのほとんどを、神雷【ジンライ】の不良どもと過ごしていたせいだろうか。


まだ耳の奥に、あいつらの騒がしさが残っている。




夏休み後半は、夏休みの宿題に追われてあまり羽を伸ばして遊べなかったけれど、それなりに楽しい思い出はできた。




いろいろあった(説明するのが面倒なので省略)1学期。


喧嘩とイタズラと遊びに明け暮れた夏休み。


そして、今日から始まる期待でいっぱいの2学期。




夏休みよ、もっと続け!!

と本気で懇願したいが、小泉【コイズミ】パパに怒られそうなのでやめておこう。






長いようで短かった夏休みがとうとう終わってしまった、残暑が堂々と居座り続ける新学期初日。



私はもちろん、夏休み明け初の登校日であろうと、当たり前のように寝坊した。



「幸珀【コハク】、起きなさい!!」


「は、は、はいっ!」



目覚まし時計の音とお母さんの怒鳴り声が重なって、鼓膜を突き破りかけた。


びっくりしながら飛び起きた私に、お母さんは重いため息をつく。




「初日くらい、真面目に登校しなさい!」


「えー、でもー」


「でもじゃない!遅刻したりサボったりしたら、1ヶ月甘い物食べるの禁止だからね」


「今すぐ行きます」