師匠と共に、落とし穴に落っこちた。





2回目ともなれば、そこまで恥ずかしさは生まれない。


慣れってやつだな。耐性がついたんだ。落とし穴のプロとでも呼んでくれ。



けれど、師匠は落とし穴初体験。

大丈夫なフリをしているのがバレバレだ。



「本当に大丈夫ですか?なんか様子が変ですよ?」


「幸珀は鋭いなぁ」


「師匠のことなら、なんでもお見通しです」



弟子をなめないでください。


笑顔を引きつらせて、無理してる感満載じゃないですか。



「どうしたんですか?」



ネットの上に座ったままの師匠の近くにしゃがみこむ。


師匠は観念したように、ずっと抑えていた右足首からゆっくりと手を放した。



「じ、実は、着地に失敗しちゃって……」


「足首、青くなってるじゃないですか!!」



えっ、ちょ、これ大丈夫なの?

ただの怪我じゃないよね。捻挫?骨折?



こういう時、どうすればいいの!?