「……はぁ、はぁ」
走って学校までたどり着くと、ちょうど部活が終わってみんな片づけをしているところだった。
グラウンドの前に立って碧空くんの姿を探す。
一瞬美希ちゃんがいたらどうしようなんて思ったけれど、そんなことは気にしていられなかった。
今さらもう引き返せない。
だけど、どんなに探してもそこに碧空くんの姿は見当たらなくて。
もしかしたらもう部室に着替えにいっているのかもしれない、そう思った時だった。
「あっれー?柏木さんじゃね?」
近くでグラウンドの整備をしていた孝太くんが私の姿を見つけ、声をかけてきた。
「どうしたの?もしかして、碧空探してる?」
そう聞かれてドキッとしながらも頷く私。
「えっと……あ、うん」
そしたら孝太くんの顔が少し困ったような顔に変わった。