ケータイ小説 野いちご

【完】君しか見えない

◇ 第1章 ◇
L 小さな手







「三好さぁ、最近なんかあった?」



冬休み課外最終日。


購買で買ったパンの袋をベリッと開けたところで、机を挟んで向かい側に座っていた黒瀬翼(くろせ つばさ)が、突然俺の顔を覗き込んできた。



バスケ部の部長を務める黒瀬とは中学の頃からの付き合いで、本人には絶対言わないけど、俺が気心を許してるやつ。



黒瀬は清々しいほどにまっすぐだから、俺も無駄な気を遣わずにいられて楽。



その黒瀬が、正解でも言い当てたようなしたり顔を俺に向けて、無言で返事を促してくる。



「なんだよ、急に」


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