それから私は毎日楓くんに会いに行った。


1日たりとも無駄にはできなかったから。



楓くんがまた笑ってくれるように、私は限られた時間の中でめいいっぱい楓くんのことを楽しませようと考えていた。



母校に行ったり、ツリーの点灯式に誘ったり、ハヤシライスを作ったり。



楓くんが笑ってくれたら、それだけで胸がいっぱいになるくらい嬉しくて。



〝また明日〟

昔みたいに、そう言い合える日がまた来たことが夢みたいで、言うたびに楓くんの隣にいられる幸せを噛みしめた。



──そんなある日。


「おまえが、好きだよ」


それは突然の告白だった。



タンポポ畑に連れてきてくれた楓くんがくれた世界で一番優しい言葉。



「ずっと、小さい頃からずっと、十羽しか見てなかった。
もう幼なじみの関係じゃ、足りない。
だから、俺と付き合って」



「……っ」



この時、どれだけ私が幸せだったか、楓くんはわかるかな。