「ちげェ、その前に言った言葉だ」

『山崎さん…?』

「何で丞の名字を知ってやがる?
俺は一言も言ってねェのに、なァ?」

『……えへ?』

「やっぱおめェ、長州の "ピコーンッ"」

「なんだっ!?」

音が出た方向に向くが何もない
人がいるような気配もない

まさかと思いチカを見ると、目が合わない

怪しい……

スーッと目を細めて、
正座をしているチカの前にしゃがみ
チカの顎を掴んだ

顔と顔が正面に向き合っているが、
チカの視線は俺に照準を合わさない

「なァ、こっち見ろよ?」

互いの息がかかる距離まで近づく

「近藤さーんっ!土方さんが襲ってるーー!!」

「こぉらあぁああ!!トシっ!!!」

「っぐはァ!!」

土方は近藤の蹴りをまともにくらい、
ダァアンっと音を立てて壁に頭をぶつけた

「チカちゃん!大丈夫?
トシから何もされてないよねっ!?」

「大丈夫ですよ?チカさん
土方の野郎の始末は
この沖田総司が完璧にするので、
安心してください」

『だ、大丈夫です』