「まーめぐ、あづは学校に怜央しか友達がいないくらいだしさ、堪忍してやれよ」



 潤が、めぐを優しく宥めた。


「まぁ、それもそうね。
 てゆーか奈々、一体いつまで静かにしてるのよ」


「悪い。
恵美の言った話、考えてた」


 奈々の頬は、赤みが引いていた。



 つまり、結婚の話と。


「奈々、一応言っとくけど、あれ冗談よ?


 まぁでも、いつか奈々が本当にプロポーズしてきたら、叶えてあげないこともないわね」




 めぐは髪を耳にかけて、照れるように言った。



「……おい、話が脱線してるんだが」





「分かってるわよ。
 ——あづ!! 説明するわよ。



 恋っていうのは……そうね。


 ある女のことを異常なほど守りたいと思ったり、救いたいと考えたりすることよ。

 あるいは、その女を見たら心臓が煩くなったり、その女の前では普通に振る舞えない状態のことかな?


 それを、恋してるっていうの!!」


 テーブルを叩いて、めぐはそう高らかに言い放った。