飛び降りて命を落とす……ハズだった。



 しかし、そうなることはなかった。




 落下していく途中、6階の外側の病室に設置された4つの窓のうちの左端の2つから2本の腕が伸びてきて、



 それは折しも、俺と少女の握っていない方の腕を掴んだ。




「痛っ!!」



 血が流れていた方の腕を握られた俺は、顔をしかめて、頭上を見上げた。