「あははは!!」




 俺は、つい笑ってしまった。




 胴上げなんて、
一生されないものだと思ってたから。




 普通そんなん、
ありがちなのは部活動とかだろ?




 学校生活をまともに送れていない俺には
当然、そんなのは無縁なわけで……。




「「「「総長!」」」」




「「「「純恋姫!」」」」



 下っ端や幹部の奴らが、
一斉に声を上げて俺たちを呼んだ。





 ——どうか、この状況が夢でなくて欲しいんだ。






 父親は転勤族のサラリーマンだから、
今も海外に単身赴任中で。





 俺を浮気相手と産んだ母親は過度の虐待女で、
今は恐怖対象でしかない。



 たとえそうだとしても、




………人生ろくなことが起きないとこの世に
絶望しても、仕方が無いから。





母親に期待なんて、二度としないから。





 だから、だからどうか今のこの状況だけは
ちゃんと忘れないで、
かけがえのない思い出にしたい。




 ——それがたとえ、こいつらと過ごす最期の時間であろうとも。