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君に恋した十五分

□逢瀬
├突然の訪問者




「ごちそうさまでした」


空になった弁当箱に蓋を被せてから、そう両手を合わせると、目の前でもぐもぐと卵焼きを咀嚼していた友人が、「えっ」と声を上げた。


その声にきょとんとしながら顔を上げると、彼女はぷう、と頬を膨らませる。


「もう食べ終わったの?早い!」

「うん…今日、図書当番だし」

「えー!」


今度は悲痛な顔でそう叫んだ友人に、思わずちいさく噴き出してしまう。


「そんな悲痛な顔しないでよくるみちゃん。当番があるのは毎週の事だよ……?」


だから慣れてほしいなあと暗に含めば、彼女はやはり納得していなさそうな顔をした。


「大体!週二回も当番って多くない?だって一学年に8クラスもあるんだよ。配分おかしいでしょ」


そう言いながらじろりと睨まれて、ははは、と空笑いを落とす。実際私の当番が週二回もあるのは可笑しなことなので、そこを突かれると痛いのだ。


空笑いをした私に何を思ったのだろう。頬杖をついた彼女が、胡散臭そうなものを見るかのような視線で私を捉えた。





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