ケータイ小説 野いちご

【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで

うぶ恋:【エピソード2】
交わらない想い



日曜日当日。


イケメンで、でもチャラくて女の子を遊びで落とそうとするような松下月星と、2人でライブに行く。

やっぱりそれなりの格好で行かなければならないと少しだけ気合いを入れた。

風でふわっとなびくスカートにメイクもちゃんとした。



そうして待ち合わせ場所に行くとあいつはもう既に来ていてスマホをいじっていた。





「あの子格好よくない?!」

「声かけてきなよー」





街でも彼への周りの反応は変わらなかった。

それを少しも気にしないで立ってる。


慣れっこなんだな…





「お待たせしました…」





すると目の前に立つ私に上から下へと目線を運ぶ。





「うん、合格」

「…へ?」

「変な格好してたら服屋に行こうかと思ったけど…うん、可愛い可愛い」





恥ずかしげもなく言うこいつとは裏腹に私は顔が真っ赤になりそうだった。





「よ、余計なお世話です!」





ちゃんとした格好してきて良かったかも…





「それじゃ…グッズも並ぶよな?」

「う、うん!」





わかってる。わかってますね!

ライブに来てグッズを買うのは、ご飯を食べるのに飲み物を買うようなものだ。


…それくらい当たり前ってことです!(あくまで持論)





「これもこれも…あっ!あれも欲しい…!」





すべてがキラキラして見えてお金が足りない。圧倒的に。





「買ってやろうか?」





私が欲しいと言ったグッズを持ってにやりと笑う。





「じ、自分で…」





………買えない。

非常に残念だが諦めるしかない…





「ほらよ」

「え、これって…!」





さっき私が泣く泣く買うのをやめたやつ…!!





「な、何で?!
いいん…ですか?」

「金は女のために使うって、それが俺のモットー。
璃乃すげえ欲しそうだったし」





だから、な?って押し付けてくる。





「あ、ありがとうございます…」





嬉しい。こんなの初めてで胸の奥がほかほかする。


貰ったものをぎゅーって抱き締めて思わず口元が緩む。





「お返し、してくれてもいいんだぞ?」





自分の頬を人差し指でトントンと叩く。





「他のことでお返しします!」





こんなこと言わなきゃもっと格好良いのに…



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