最近の、目まぐるしいひな様の成長は頑張りすぎで少し心配にもなる。
それでも、せっかくの気持ちを折ってしまうのは憚られて見守るしかない現状。

その結果、熱を出して倒れられたことも。
まだまだ自分は執事として未熟だと悟った。




「ひな様、おやすみ前の紅茶をお持ちしました」




少しでも、心と体を休めてほしいといろいろな紅茶の効果を調べあげ、毎晩寝る前にお出ししている。
それが、ひな様にお仕えする私のできる事なら、どんなことでも。

あの方の側にいたい。
御守りしたい。


“執事”として。
いえ、それ以上に――――。




声をかけ、少し経っても中からの返事はなく。
もう寝てしまわれたのか、と思いながらそっと扉を開いた。



開いた瞬間、駆け抜けていく風が頬を撫でる。
窓でも開けているのか?




突然の風に目を細め、ゆっくりと開く。
案の定窓は開き、カーテンを揺らしていた。




「ひな様・・・?」