ケータイ小説 野いちご

気まぐれ魔女の恋愛模様?

辺境伯と薬の魔女
2

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レイル殿下に連れられてヴィッツエルドの城下についた。

エルニーニュの森の入口で、お供の人が殿下の馬の世話をしながら待っていたから、決してひとりで適当に城を抜け出しているわけじゃないのはわかった。

何故か、その騎士さんに凝視されて戸惑った……それはいいけど、途中の村で馬を借りると言っても聞き入れてもらえず「軍馬と借り馬の足の速さは違うから」と微笑まれて、最後まで共乗りするはめになった。

南門を抜けた所で降ろされたけど……。

うん。何だか体力よりも、精神的何かがゴリゴリ削られた気がする。

風を受けて走るのは好きだけど、背後にピッタリとレイル殿下の温かさというか、なんと言うか、そういうものをいろいろと体感してしまったよ。

これでも乙女なんですよ! 乙女に辱めを与えるなんてダメでしょう!

とはいえ、世の中的にはコレも普通な気がするから悩む。

物語でも、騎士の背中にしがみついている乙女はあまりいないもんね。これは当然なことなんだろう。


だけど、世の中の乙女は羞恥心をどうしているんだよ〜!

同じ鞍に乗ってるから、お尻がたまに当たったり、離れようとしたら片手で抱き直されたりするんだぞ!?

まだ馬にも乗れない小さな頃ならともかく、無理無理無理〜!

恥ずかしくて半泣きだったよー!

今も半泣きだけど……。

馬を引いて歩きながら、顔を背けて肩を震わせている殿下をジロリと睨んだ。

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