ケータイ小説 野いちご

気まぐれ魔女の恋愛模様?

辺境伯と気まぐれ魔女
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神聖なるロフェス王国。

この国には昔から、魔術を使える人が生まれることで有名。

魔力の大きさは人それぞれで、全くない人も中にはいるけれど、それでも他国の人に言わせると、ロフェスの人間は、誰でも魔術を使えるなんて言われる。

そのロフェス王国の北東に位置するヴィッツエルド辺境伯領。

国境にあるこの土地は、外敵からの侵入者に対して国の守りを担っている。

砦にもなるヴィッツエルド城は三重の城塞に守られながら、今もなお、堅牢な姿で城下を見下ろしていた。

といっても、隣国エジンバラから数十年前に王妃がお輿入れになった以降は戦もなく、近隣の国とは友好的。

小さないざこざはあっても、戦争にまで発展しないから、関所として、または交通の要所としてヴィッツエルドは存在している。

人が行き交うから市場が立つことも多く、外の通貨も落とされれば生活は豊かになるもので、第二のロフェス王都などという異名もある……。


でも、私には全く関係ない。


城壁の西側に広がるエルニーニュの森。

そこに小さな集落があって、たまに出稼ぎに行く人もいるくらいの、ほとんど自給自足の中で暮らしているから。


「平和って素敵だよね」

裏庭で芋の皮むきを手伝いながら呟くと、目の前のミリア姉さんに苦笑された。

「フィリィ……18歳のあんたが、そんなことを言い出すと、私としては将来が少し心配よ」

ミリア姉さんは、ちょっぴり目元がキツイけど、綺麗な赤毛の美人さんで、つい先日に結婚したばかり。

「可愛いのに、相手を見つけにいかないから……」

そう言われて、笑ってごまかした。

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