早く席替えしないかな、と考える。

数学の小テストの時間だった。数学の先生は新任の先生らしく、生徒を覚える為に一か月はこのままの席順でいてほしいと各担任の先生に頼んでいるらしい。

勿論、担任にとっては殆どどうでも良いことなので、普通に承諾された。

わたしにとってはどうでも良いことではない、というのに。

額を抱えて溜息を吐く。体育から教室に帰ってきて、机の上にお弁当を置くと前からの視線に気づいた。

こちらを見ている。
でもわたしは顔を上げない。

お弁当を持って夏菜子の席に行った。