この家に引っ越してきて、2回目の秋。



中学3年生の私は、
高校受験真っ只中だった。


行きたい高校は、決まっていた。

家から自転車で通える範囲にあり、紺のブレザーが可愛いT高校!


しかし、偏差値がやや高く…

担任の教師からは、志望校を変えるよう何度も話があった。



「T高校に合格したい!」





志望校を変えない頑固な私のため、
両親は受験勉強に専念できるようにと、2階に勉強部屋を作ってくれた。


2階には部屋が2つ。東の部屋はきょうだい2人の遊び部屋、西の部屋は私の勉強部屋となった。



私の部屋には勉強机と本棚だけが置かれ、ガランとしていた。





部屋には、基本的に私1人。

だけど、何故か…








何故だろう。



いつも誰かに見られているような気がしていた。