絢香はいつものように、仕事を終えると、家に帰った。
簡単にごはんでも…と思い台所に立った。

ごはんに、大根とネギのお味噌汁、鶏肉の山椒焼きに、サラダ。


(ー、うん、上出来!)
絢香は、自画自賛すると、テレビの前テーブルにごはんを置き、ソファーに座った。

食べ始めてすぐに、電話がなった。

着信 水澤 晃

(- …!!)
絢香は驚いていた。
そして、少し息を整えると、電話にでた。

「もしもし、桝谷です。」
「もしもし、水澤です。こんばんは!今、大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。」
絢香は、少し低く甘い声に少しドキッとした。
(ー あれだけのイケメンだからな…)
と思ったが、すぐに気持ちを立て直した。

「先生、今日このあと少し時間ないですか?
仕事が早く終わったので、曲のことご相談したいんですが。」

今度は、完全にドキンと胸の音が耳に響いた。すぐに、
(ー先生と生徒の相談だ!デートじゃない!)
絢香はと自分自身に言い聞かせた。

少し落ち着いた声を意識して、
「いいですよ。ただ、今ごはんの途中で…」
「そうなんですね。俺もまだ会社なので、20時半ぐらいでどうですか?お家は学校から近くですか?」

「電車で一駅なので、大丈夫ですよ。」
絢香は答えて、時計を見た。19時12分、
(ー着替えて、化粧をして…)
絢香は、時間を頭の中で計算した。

「よかった!じゃあ、駅で待ち合わせしましょうか?」

「わかりました。」
と電話を切った。