「晃、やたら真面目にピアノ教室通ってるな。」
社長の湊は笑いながら、冷やかした。
「仕事だろ。茶化すなよ。」
「ふーん、もう、来週だもんな。先生にも来てもらったら?講師として。まっ、お前に任すけどな。」
湊は手をヒラヒラしながら言った。

確かに、仕事の一環だ。それに、絢香といるとどうも、調子が狂う。

つい、苛めたくなってしまう。
苛めたくないのに。

そんな事を、考えていると、ピアノ教室の前にいた。
さあ、真面目に練習しようか。

本番は、来週だ。