『秀香。』

え?
誰?

『秀香。』

この声。
なんだろう。
とっても、懐かしい。

『秀香。』

嗚呼、そうだ。
怜依だ。

『怜依、どこにいるの?返事して?』

『無理だよ。僕、この世にいないんだから。』

嗚呼。
蘇る。
あなたと過ごした、遠い日の、幼い記憶が。