【真心side】





「ふぅちゃん」




プールから帰ってきて、しばらくしてからソファでいつものように本を読んでいるふぅちゃんの隣に座る。




「…」




返事はない…か。



でも、いいや…今日はたくさんお世話になったし許そ。




「今日はありがとう。

あと、知りたくもないと思うけど…あの人はあたしの中学時代の好きな人で…クールなんだけどあたしにはすごい優しくてそんなところに惹かれてた。」




「…」




ぽつりぽつり、と話し出したあたしに相づちすら打つことなく予想通り、ふぅちゃんは無言。



一件、話を聞いていないようにも思えるけど彼はちゃんと聞いてくれている。



なぜなら、さっきからずっと同じページで止まったままだから。