act1

私、成田絢香は春から花の高校2年生。今は駅から学校に向かってる途中……なんだけど。

男1「ねぇお姉さんカワイーね!」
男2「これから学校?俺らとサボっちゃわない??」

少し派手な格好をしているせいか結構な頻度でこういう人たちに絡まれる。もうそろそろ慣れた。

こういう場合は無視がてっとりばや……

男2「おいおい、無視しないでよオネーサン♪」

こういうタイプかぁ〜〜(;´・ω・)
めんどくせぇ〜〜〜。しかも肩掴まれてるし。JKってのは気軽に触れていいもんじゃないんだぞ!!!と思いながらバカ男達に嫌々返事をする。

絢「すいません私忙しいんで…」

もちろん真っ赤な嘘。学校に行くのに忙しいわけがない。友達とお喋りするのに忙しいくらいだ。

早くこの場を去るために、私は歩き出そうとしたが肩に置かれた手に力を込められた。

絢「いったっ…!」
男1「学校行くのに忙しいわけないっしょ?w面白いね〜w」

…どうやら知能だけは高いサルのようね。さて、どうしたものか…と考えていると制服姿の男が割り込んできた。

?「あ、こんなとこにいたんだはるか!ごめんな!!」

はるか??誰だよ、と思いつつこの人の考えは分かったので有難く助け船に乗らせてもらう。

絢「もう、遅いよたくみ!!学校遅れちゃう早く行こ!!」

その様子を見て男達は舌打ちしながら去っていった。

男達が完全にいなくなるのを待ちながら私は制服姿の男の子を横目で見てみた。

制服は秦澤高校のものだ。私がこれから向かおうとしている学校でもある。こんな人居たっけなぁ。

ちょっとクセのある黒髪、シャープな目元。スラッとした体は180cm近くはあるだろうか。…ちょっとタイプかも。居たら絶対気付くと思うのに…なんて考えていると

?「いきなりごめんな!」

と声をかけられて、少しビクッとしてしまった。しかし彼には気づかれなかったようで彼は話を続ける。

?「なんか困ってそうだったから体が勝手に動いちゃった。あいつらに変な事とかされてない?大丈夫?」

絢「大丈夫です。学校行けなくて困ってたから助かりました。ありがとうございました。」

もしかしたら先輩だったりするかもしれないので一応敬語を使ってお礼をする。こういう時、色違いのネクタイとかにしてくれればいいのに、と少し考える。

?「そっか!それなら良かった!!じゃ、俺用事あるから!また絡まれないように気を付けてね!!」

そう言って男の子は去っていった。用事?まぁまだ学校に行くのに余裕はある時間だけど…そこまでのんびりもしてられないと思うんだけどなぁ。

そんな事を考えつつ、私は鞄からスマホとイヤホンを取り出し、学校へ向かった。