そして。 「あ、6時……」 もう日はすっかり落ちて、今度こそ美しく輝いている。 でも、私の待ち望んでいた人はやって来ない。 きっと、私なんて忘れられてしまったんだ。 もう、私なんてどうでもいいんだ。 そう思うと無性に悔しくて、悲しくて、気づけば頬には涙が伝っていた。 「うぅ……っ、ケンくんの、嘘っ、つきっ……!」 言葉にならない想いを、人目も気にせず叫び続けた。