ケータイ小説 野いちご

真実の愛に気づいたとき。

5.意外な人物




松村さんと会わなくなり、数週間が経った。


私は相変わらずの生活を送っている。朝起きて、大学へ通い、家に帰る。人が大勢いるコミュニティに存在するにも関わらず、誰一人とも言葉を交わさない日が続いているのは私以外にいるのだろうか。


典型的な大学生ともいえるような学生が目の前や私の周りでワイワイガヤガヤしていても、不思議なことに寂寞とした光景のように思えて仕方がない。


今日も恋バナやら次の講義が怠いやら、ありがちな会話が飛び交う中、私は一人食堂でお昼を食べていた。


隅の二人席のテーブル。片方に座り、向かいの席に荷物を置いている。すると、目の前に学食のトレーが置かれた。『は?』と思い顔を上げると、目の前には金髪の女の子が立っている。


…誰?


「あ、急にごめんね。私、経済学部の岡本未央(オカモトミオ)って言うの。突然なんだけどさ、私前から西田さんのことが気になってて」


「…は?」


何これ?女の子に告白されているの?食堂の片隅で愛を叫ばれているの?


「あ、違くて!!気になってるっていうのは存在自体が!!西田さん、一匹狼じゃん?そんなに綺麗なのに友達いないなんて、どこかに大問題があるんじゃないかと思って」


褒められているのか卑下されているのかわからない。私に話しかけてくる子なんて初めてだ。


「でも、周りなんて気にしないっていう態度に好感持ててさ。話しかけたいな〜って思ってたけど、迷惑だったら申し訳なくて」


「いや、別にそんなこと…」


そう言うと、彼女の顔はぱっと明るくなった。ころころ表情が変わる子だ。私は直感的に、悪い人ではない、そう思った。

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