「きれ~い」


お店を出て少し歩く。
大通りに出ると、街路樹に小さなイルミネーションがあちらこちらで街を彩っている。


「………えっ??」


突然後ろから、ふわりと抱き締められた。


「心花、僕と付き合ってくれないかな」


たぶん。
普通の女子なら鼻血もんで喜ぶところなんだろうな。


普通なら。


こんなイケメンと再会して。
ドラマみたいなシチュエーションで告白までされて。


でも。
就職難民の私は、なんとか人並みに、まずは社会人として自立しなくては。


それで一杯一杯だった。


「…ごめんなさい、今は」


「心花のこと好きだったから、他の女の子と付き合わなかったんだからね」


そ、そんなこと言われても。


「ごめ……ん」


バッ!!と放すと向き直され、有無を言わせず唇を塞がれた。


「………っ!?」