……まさかこんな形で一日が過ぎるとは思わなかったわ


フウッと息を吐いて、風呂上がりに着こんだ寝巻きにそっと触れる


丈の長いワンピースみたいなものだがゆったりとしていて肌触りもいい


「あぁ……わかった。 帰ってから倉庫に寄るから。 悪いな今日は」


隣で星夜は塁と電話をしていた


ここは電話など、離れた家族に連絡をするための公共のスペースで、公衆電話が置かれている


その他は壁に固定された長イスが設置されているだけの狭い空間だ


「それじゃあ、明日な」


電話を切り、ハァーと思い切り息を吐いた


「塁はなんて言ってたの?」


「あぁ……そうなるならもうちょい早めに知りたかった、ってさ」


苦笑いを浮かべ、壁にもたれ掛かる


今日は電車が動かないと聞いて戸惑いを隠しくれないままお父さんは白浜さんに再度聞いていた


『え……本当ですか? 今日はもうないんですか?』


『…………残念ながら』


それを聞いてお父さんは暫く固まっていたのがなぜか一番印象的だった