――『返事はいらないから。 急に押し掛けてきてすまなかったな』
私に手紙を渡した後、お父さんの朝陽さんと夜空さんに頭を下げ、自身の家へ戻っていった
部屋の片付けをし、夕飯を食べ、今は私が使っている部屋で一人手紙を眺めている
……返事はいらないってどういう事なの?
その疑問をかねて白い封筒、お父さんからの手紙の内容を見た
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翼へ
どう言葉に現したらいいかわからないので、手紙に書きます。
まず、この手紙を受け取ってくれてありがとう。
本当なら断られるのを覚悟で届けに来ました。
実の娘に対しての容赦のない言葉を浴びせてしまい、今更ながら後悔をしています。
謝っても許されないのはわかっている、だが、このままでは羽衣と同じ様に過ちを繰り返してしまう……。
その思いが今でも胸によぎっています。
考えてくれるなら、チャンスを下さい。
返事はいりません。
代わりに、今週の土曜日、午前七時までに電車駅入口前で待っています。
来るか来ないかで翼が俺に対してどう考えているかを判断します。
よく考えてください。
父、秀一より
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