昨日の嵐のような出来事から一日たった。


  わたしは約束通りおとなしく屋上の温室のカギを解放したままにした。いつでも久我君が入ってこれるようにと。


 約束したことは絶対に破れないというこの長所のようなマイナスの性分が恨めしく思う。



 ……昨日のことはもしかしたらわたしの夢だったのでわはないかと思ってしまう。今日はいつも道理の日常で必要以上に人と話さず一人だった。久我君もいつも通りで昨日のことなど何もなかったかのように…


 それはそれで、嬉しいような寂しいような。  不思議な感覚だ。



 わたしは水をあげながらひとりいろいろと物思いにふっけていた様で約束の訪問者が来ていたことに気が付かなかった。



 わたしがその人に気が付いたのは一通り水をあげ終った後だった。



 片づけをしてベンチで一息つこうと思ったら、そこには先客がいた。