ケータイ小説 野いちご

【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-

第二章 予想外の答え
・掛ければプラスになる感情




気づいたらとっくにもう、落ちていて。

好きになった理由が、自分の尊敬する男を一途に想い続ける姿だと、知ったあの時から。



俺じゃ叶えてやれないって、ずっと思ってる。



【Side Sonata】



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「なんか、変な感じだねー。

……いつもバイトで先に帰ったりするからかなぁ」



綺世が、音を送って帰って。

万理がひのを送って帰ったから、倉庫には俺とみやとゆゆの3人だけ。お互いに遠慮しねえ親友と、深い言葉を投げてこないゆゆと過ごすのは楽だ。



……たまに俺のことをからかってくるのが、面倒だけどな。

それすらなけりゃ、気心知れて楽なメンツだと思う。



「そうだねえ。

基本、ゆゆちゃん先帰って、俺とそなたが帰って、綺世と万理が帰ってるからな〜」



いとこ同士で、家も近い綺世と万理。

1年半前。あいつらを総長と副総長に、先代が指名した時、誰もが「7代目は絶対に強い」と思ったことだろう。……例に漏れず、俺もだけどな。




「あやちゃん、明日も機嫌悪いんじゃないかなー」



話があるから、と言って。

ひのを送ると言った綺世と引き離し、代わりに自分が送っていった万理。……たしかに綺世の機嫌、よくはねーだろーな。



「あいつ、今も納得してないんだろ」



「だろうねえ。

……でも結局折れたあたり、なんつうか、まだ素直に渡せるほど大人じゃなかったってことだな〜」



そうつぶやくみやが、ポケットから四角い箱を取り出す。

何気なく、ゆゆとそれを視線で追って。箱から取り出されたものに、さすがに黙ってられねえなと口を開きかけたところで。



「!? お菓子!?

なっ、みやちゃん……!タバコかと思ったじゃんややこしいことしないでよー!」



先に盛大にツッコむゆゆ。

同意見だわ、と一見タバコにしか見えないお菓子を口にしているみやにため息を零す。……暴走族、なんて今頃"らしくない"組織に所属してるけど、俺らは誰も法律を犯すようなことはしない。




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