「ほら、しっかり歩けよ。もうすぐアパートに着くから」



俺はベロンベロンに酔っ払った翔平に肩を貸しながら夜道を歩いていた。



大学が終わったあと、バイトが誰もなかったという理由で昼ごはんを食べたメンバーで飲みに行くはめになった。



一頻り飲んで、満足したところで莉瑚と柳はあの事件の後だからタクシーで帰して、和泉とは少し前に別れた。



で、残った俺は千鳥足の翔平を借りているアパートまで送り届けるという一番面倒なことを押し付けられた



「天河ー、何でお前ばっかりモテるんだよー!俺の何処が駄目なんだよー」



酔っ払った翔平はさっきからずっとそればかり言っている。



俺がモテるというか、単に女の子は翔平の酔うと面倒なところが嫌なだけだと思うんだが……。



まあ、そう言ったところで翔平がもっと面倒になるだけだから言わないでおくけど。