「なず姉。仕事に戻るならこれ、父さんの朝ごはん。俺、大学行くから」



俺──、小鳥遊天河(タカナシ テンカ)は仕事に戻る姉に父さんに朝ごはん代わりの弁当を持たせて、先に家を出た。



イヤホンを耳に突っ込み、音楽を聴きながら徒歩でバス停まで歩いていた。



意味の分からない夢のせいで気分が乗らない。



でも、少しでも気分が上がるようにアップテンポの音楽を聴く。



すると、いきなり後ろからタックルを食らわされた。




人目が多いからコケるのは恥ずかしいからその場に身体を踏みとどめる。