PM9:18




手首に付けられている時計はその時刻を指し、やけに秒針の音が大きく感じる。




しかし、それ以上に心臓の音が大きく響く。



「こ、殺さないで……っ!」



腰を抜かして動けない女は己から聞こえるそれらの音を聞きながら、目の前の人物に命を乞う。




彼女の目の前には両目の赤い容姿端麗な男がいる。





その手には刃渡りの長い牛刀が握られていた。





すると、男はその牛刀で彼女の時計が付いた方の手首を貫く。




時計が壊れる音と共に彼女の口から悲鳴が漏れる。