「萌葉、帰んぞ」



次の日。

放課後に声をかけてきた三成くんの隣に、本多くんの姿はなかった。




「……萌葉?」


顔をのぞき込まれてハッとする。



「聞いてんのか」

「き、聞いてる……」

「さっさと帰り支度しろよ」

「うん。わかった」



慌ててカバンの中に教科書類をつめるあたしを、三成くんがじーっと見つめてくる。