「おいおい、んな泣きそうな顔すんなって。今回、お前は被害者だぞ。何も悪くねぇよ」

「………」

「七瀬は、最小限の痛手で済む方法を計算するのがめちゃくちゃ上手いんだ。お前の全部と自分の頭だけは守るって絶対条件つけた上で、恐らく初めっから片腕は捨てるつもりだったんだろ」



ぽん、と優しく頭に手が置かれた。

三成の声を聞いていると不思議と心が落ち着いていく。


「うん。……ありがとね、三成。本多くんにもまたお礼言わなきゃ」

「あ、そーだ。何か飲むか? ちょうどみかんジュース冷やしてあんぞ」



にやりと笑う三成に、強ばっていた顔の筋肉がほぐれた。



「三成ってみかんジュース好きなの? 青藍の人にも、この前渡されてたよね」

「中島のコーラ好きには勝てねえけどな。つーかあれは好き通り越して依存症。ビョーキだよビョーキ」