ぽろりと本音が溢れると、なぜか唐突に両方から抱きしめられた。


「萌葉が大好きって言った!」

「可愛い〜〜っ!うちらのほうが大好きだよう〜〜」


ぎゅうぎゅうと苦しいくらい。

なかなか自分からはいけないタチだけど、こうやって甘やかしてくれる友達がいて幸せだなあ……。



「じゃあ放課後、終礼終わったら下駄箱ダッシュだから!」

「もたもたしてたら置いていくからね〜」


待ってそれはひどい、なんて言って笑っていたら、いつもの調子が少しずつ戻ってきて。放課後が楽しみだなあと期待が膨らんだ。



「じゃあ一緒に帰れないって連絡入れとかなきゃだね!椎葉くんに」

「……あっ。そうだね」



放課後も家まで送ってくれるという約束。

三成はあたしを教室まで送ったあと、さっそくどこかへ消えてしまっていて姿は見当たらない。


……本多くんとも、今日はまだ会っていない。


三成にメッセージを送ろうとスマホを開いたら、画面中央に三成からの通知が表示された。

タイミングがいいな、なんて思ったのも束の間。

送られてきた文章を見て固まる。



【悪いきょう用事で送ってやれなくなった】

【俺今から早退】

【帰り送るの七瀬に頼んどいた】

【俺からはちゃんと言ってある普通にしとけよ大丈夫だから】