***


それは、早朝、唐突に起きた。

――ピロンッ。

軽快な音とともに、1件のメールが私に届く。


夏休みに入った私は、寝汗でびちょびちょのシャツを少しだけ引っ張り、空気を通した。



「まだ、6時半だけど……こんな時間に、誰?」



まだ頭半分寝ているような状態で、スマートフォンを手にメールを確認すると……。



《from:海斗》

件名:夏だよ、全員集合!

本文:夏休み、みんなでどっか行こうぜ!

ってことで、今日12時に駅前のファミレスに集合せよ。

P.S、尚先輩も来ます。



「え、えぇ……」



なんて、我が道を行く人なの……。

って、全員集合!って、古くない?

これもまた、おばあちゃんの影響だったりして。


尚先輩もって、海斗ってばどこから突っ込めばいいのやら……。


宛先を見れば、私と文子にも送られてることに気づいた。

でもまぁ……文子がいるなら、いっか。




それに、夏の思い出は大事だって、早織も言ってたし……。

だから、私は2つ返事で、『行く』と返した。