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「本当によかったの?彩羽。あたしだけで……」




「梨華だけで十分だよ。大好き」




「彩羽……せめてみんなにお別れ言ったほうがよかったんじゃない?」




「いいの……これがあたしの決意だから」




「そろそろ時間か……」




「彩羽ぁ~」




「ちょっと梨華、泣かないでよ!」




あたしに抱き付いたまま大粒の涙をこぼす梨華。

まったく……最後まで最高の親友だな、この子は本当に。




「泣くに決まってるじゃん!親友なんだからっ」




「……電話もメールもするから。それに、またきっと戻ってくる」




「…ほんと?」




「約束」




『_便のお客様は〇番ゲートまで_』




「ばいばい、梨華。みんなにもよろしくね?」




「うん。戻ってこないと……全米を探し回るから」




「あはは、それはそれで楽しいかも」




あたしは里華を少し押して、荷物を肩にかける。




「ずっと、親友だから」




「大好きだよ、梨華」




あたしはその日、日本を発った。