【彩羽side】

「あ、彩羽ちゃん!こっちこっち!」




早朝5時、あたしは東京駅で麗ちゃん達と待ち合わせ。




「でっけえ声出すなよ彩羽!!バカ?俺ら3人芸能人なんですけど」




「あ、忘れてた」



「チッ」




なんか陽太、心開いてくれたのかわからないけど口が悪くなってきた。



クラスではニコニコしてる王子様なイメージだったのに、崩壊しちゃったよ。




……この性格を知ったらファンが泣くよ。ついでに四天王ファンクラブも崩壊するよ。




「なに、その顔」


「顔は生まれつきですが何か」




「彩羽ちゃんと陽太くんはなんのやりとりをしてるの?まあいいや、テレビ局に移動するから車乗って」




「はーい」



美玲ちゃんに促されて私はロケバスに乗り込んだ。




「陽太?」




車に乗らずボーっとしていた陽太に声をかけると、その視線はこっちに向けられた。




「え、なに?」



「……なんでもねえ。アユ、眠いから寝るわ。あ、彩羽。着いたら起こして」




陽太は一番奥の席に座り、窓にもたれて眠ってしまった。